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新幹線新ルートの議論について


今朝の宮崎日日新聞の1面。

東九州新幹線に加え新八代ルートについての県や自治体の反応について掲載がありました。
行政が調査費をつけるというのは、検討結果次第によっては前に進めるという意思表示であり、県も期成同盟会で東九州新幹線を目指す、と言ってきましたが正直形骸化していたところはあり、新幹線が具体的に議論にされることは意義があると思っています。


整備新幹線は1972年(昭和47年)に策定された基本計画に基づいて整備が進められてきましたが、国としての計画は現在進行中の
1.北海道新幹線(新函館北斗〜札幌)
2.北陸新幹線(新大阪〜敦賀)
3.西九州新幹線(新鳥栖〜武雄温泉)

の次は全く白紙となっています。
加えて基本計画策定から50年以上経ち、とにかく東京との連絡という当初の意図とは社会情勢も大きく変わりました。
九州は特に福岡市の伸長が進み、博多駅とのアクセス改善が費用対効果でも大きくなることは、九州の皆さんであれば誰もが実感されることだと思います。
その現状の中で、大分県でもより博多に近くなる九大本線ルートが議論されたり、北九州市でも新幹線を小倉から北九州空港に延伸すべきといった議論もあり、本県において新八代ルートの意見が出ることも、ある意味では自然なことだと思います。


しかし一方で延岡市長が基本計画の東九州新幹線の推進を求めるのは理解できますし、現に県も今でも基本的にはその立場です。
自治体間の対立を煽ることも本意ではありませんので、ここではその優劣や私の考えを述べるのは避けますが、その上で実務的な今後の進め方をお話ししたいと思います。
鉄道政策に大きな影響力を持つのが、私も役員をしておりますが自民党鉄道調査会(稲田朋美会長)です。この中でも基本計画路線のあり方の検討は俎上にはあります。(見直し前提の議論をすると決めたということではない)
ただ、その前提には今回の調査も踏まえた上で、ということになりますが県民の皆さんの意思が示される、ことが重要になります。


具体的にいえば、「新八代ルートの基本計画格上げ」について、知事の明確な推進の方向性、官民の推進組織の組成そして県議会の意見書などが挙げられます。
特に県議会の意見書は県民の意思の表明(知事選挙の公約などもありますが、首長選挙は様々な要素による結果であり、具体的項目についての意見書は重要です)です。
宮崎県議会において意見書は、原則全会一致ですので延岡市も含む県内全体の意見の集約が必要になると思います。
それがあって初めて国としては、宮崎県がそう考えているのだ、ということを正式に認知することになります。その上で基本計画格上げを運動し実現すれば、その先に予算や具体的ルート、並行在来線の問題と具体的な課題解決に進んでいきます。


まずは調査の結果を県がどう判断するか、ではありますが、新幹線が縦貫する西九州の利便性の高さを実感するに、今までにあまり具体的でなかった新幹線の議論が県民の皆様の中において関心が高まることは意義があると思っています。
今後も国の立場から必要なアドバイスなどはさせて頂きながら、建設的な議論になるよう応援して参りたいと思います。

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